うちの生徒会長は今日も読めない






お姉がモデルを務めている雑誌は、妹として当然定期購読している。

わたしがとあるイベントについて思い出したのは、その雑誌で数ページにわたる特集を組まれていたからだった。




「バレンタイン……」




高そうなハート型のチョコレートにキスをする蠱惑的な原麗華。

その下にズラりと並んだ、宝石のようにキラキラとした箱入りチョコレートたちの写真。


購買意欲がそそられるページではあるが、いかんせん高校生が手を出すのは少しばかり勇気がいる価格設定だ。



とはいえ。

この国では一般的に、バレンタインデーには恋人へチョコレートをプレゼントするもの。

恋人というか、お世話になっている人には交流の一環としてプレゼントし合うような文化がある。


つまり今のわたしには、会長にはもちろん、生徒会メンバーに渡さないという選択肢はない。




「でもそんなお小遣いないしな……」




なんて呟けば、その言葉を待ってましたとばかりに次のページから手作りレシピ特集が始まる。