「ま、父親って表現が正しいかは微妙だけどなー。何て言うんだろうな、3番目の父親? 元父親?」
「孕ませるだけ孕ませて行方くらませた顔も知らない生物学上の父親を1番目って数えんならそうだな」
待って、一瞬で話に置いていかれた。
わたしが「えっ……と?」と眉を寄せると、会長は簡単にまとめてくれる。
「要するにアキラはオレの母親の元旦那。ちなみにその数え方でいけばうちの高校の理事長サマは4番目」
以前、生徒会の顧問である日本史のおじいちゃん先生と話したときのことを思い出した。
理事長の息子というだけあって会長がとにかく横暴なのだ……そう訴えたわたしにこんな風に言った。
『理事長の息子っていうのはあんまり関係ないかもねぇ。あそこは色々と複雑だから』
あれ以来すっかり忘れていたけれど、そういえば会長の口から家族の話を聞いたことは無い。



