だけどここまで付いてきて、今さら引き返すという選択肢はない。
ドキドキしながらわたしもその路地に入る。
「おい、こんなところで何してる?」
「うわあああああ!?」
人気のない路地に、わたしの情けない悲鳴が響いた。
目の前には、腕を組み、壁にもたれかかりながらこちらを見ていた会長。
尾行に気付かれていたらしい。
何してるんだ、ともう一度聞かれて、わたしはさっと顔を背けながら答えた。
「あの……買い物です」
「一人で?」
「は、はい……」
「杏神街で女子一人はさすがに危ねーだろ」
「お、お互い様では?」
「オレは大丈夫だよ」
どこから来るのだろうか、その自信。
とはいえ、本気で心配されているようだったので素直に反省。
「すみません……たまたま近くを通ったら会長のことを見つけて……気になってしまって……もう帰りますので……」



