いつも通りまっすぐ駅に向かう途中、会長は足を止めてそんなことを聞いてきた。
「えっと、少しなら」
「ん。じゃあそこの道右に曲がるぞ」
「はい……」
寄り道して買い食いでもするには少し遅い時間。
何だろうと思いながら、わたしは言われた通り道を曲がる。
と……。
「わっ、綺麗……」
視界いっぱいに飛び込んできたのは、数十メートル続く街路樹のイルミネーションだった。
ホワイトやブルーの電飾が静かに点滅を繰り返し、冬らしい癒しの空間を演出している。
そしてクリスマスシーズンというだけあって人はかなり多く、誰もが電飾に負けないぐらい目を輝かせていた。
「毎年この時期はこうなってんだ、ここ」
「いつもまっすぐ帰ってたから知りませんでした」
「奥にでかいツリーもあるぞ。見に行くか?」
「行きたいです!」
普段そう見ることのない光景を、わたしは大興奮で写真におさめる。



