こういう帽子はあまり身に付けたことがないので、どうして良いかわからない。とりあえず目深にかぶってみた。
……前髪がつぶされて眼鏡にかかって、前が見えなくなってしまった。
「顔見えなくなってるよ原さん。こういうのは軽くのせるような感じで……」
木坂先輩はそう言いながら、サンタ帽をそっと上にずらす。
「わっ」
何のためらいもなく触れられて少し驚く。
そして、至近距離で見つめられてさらにびっくり。
「うん、可愛い……」
微笑みながらそんなことをさらりと言われてさらにさらにびっくりびっくり。会長ではあるまいし。
「ど、どうも……?」
わたしに対してというよりはサンタ帽をかぶっている状態に対して言っているのだろうけど、それでも驚くものは驚くのだ。
だけど木坂先輩はそんなわたしの反応など少しも気にせず、帽子の上からポンポンと頭を撫でてくる。



