「あはは……」
「でもある時、向こうがいきなり話しかけてきてね。『生徒会長に立候補するから応援演説してくんねー? 隣の席のよしみでさ』って」
ほぼしゃべったことがなかったのに、本当に突然だったのだそう。
戸惑いはしたものの、日々の刺激に飢えていた木坂先輩は悩んだ末引き受けることにした。
ライバルの候補者は何人もいて、勝てる望みは薄いと思っていた。
……だけど意外にも、東間敬人は他の候補者に大きな差をつけて見事当選してしまった。
「それ以来ずっと会長と副会長。あいつ、高校では入学して早々に立候補するって言い出したし、おかげで毎日ずっと刺激的だよ」
思い出し笑いをする木坂先輩は、心の底から楽しそうだった。
「会長は木坂先輩のこと、すごく信頼してますもんね」
「ん、それはどうかな。むしろ僕があいつに頼り続けてほしくて必死になってるだけのような気がするけど」
「え?」
「敬人は僕以外と組んでも上手くやっただろうからね。たまたま隣の席だったから声掛けたってだけで」



