「桃先輩。そう言うからには、償う気はあるんですね?」
ゆっくりと、確認するように言った。
桃先輩はその問いかけが意外だったのか一瞬動きを止めた。
だけどすぐに、真剣な目のまま「ある」と答えた。
「ならわたしの望むことは一つです」
わたしは立ち上がって、桃先輩と目線を合わせる。
「生徒会書記になってください」
「は?」
「そうしたら……今回の件、許すことにします」
「……あはは、そうきたか」
長いため息の後、桃先輩は何かを考えるように目を伏せて、ゆっくり、何度かうなずいた。
「なるほどな。それ言われると、戻る以外の選択肢、ないな」
「そうです。先輩に選択肢はありません」
「敬人に怒られても知らんで」
「望むところです! と言いたいところですけど、怖いので一緒に怒られてください」
「何やそれ」
桃先輩はハハっと声を出して笑った。
「路留、あんた本当、変な奴やな」
この日、わたしはようやく桃先輩から心からの笑顔を向けてもらうことができた。



