高校も、もちろん会長がいるからという理由で選んだそうだ。
なるほど、確かに執念だ。
「ま、何回も告って全部玉砕してるんやけどな」
「ええっ、こ、告白までしてるんですか!? しかも何回も!?」
「当たり前やろ。黙っとったって伝わるわけないんやから」
「おお……」
「それに、フラれたところで敬人にとってうちが一番近い女子に変わりないって自信はあった。ずっと近くで支え続けたらいつかは振り向いてもらえると思ってた」
桃先輩はそこで言葉を切ると、肩をすくめてわたしを見た。
「でもあいつは、そんなうちよりぽっと出のあんたのことを何百倍も気に入ってる。ホンマに腹立つ」
「え、いや、その」
「さすがに自覚あるやろ? 敬人のやつ、あんたにだけは妙に甘い」
その問いかけにはうなずくほかない。
人との距離感に疎いわたしは、今一つどれぐらいで“特別扱い”になるのかがピンときていなかった。
それでも、近頃は薄々そう感じてはいた。



