うちの生徒会長は今日も読めない




鞄の中身を机にしまいながらそんなことを考えていたものだから。




「あの、原さん……」


「ひぃええ!?」



クラスの中で比較的大人しめの女子二人組──岡本(おかもと)さんと須賀(すが)さんからおずおずと声を掛けられたときには、文字通り飛び上がるほど驚いた。

二人はわたしの奇声に戸惑った様子で顔を見合わせた後、ごそごそと一冊のファイルを取り出した。




「原さんは休んでた間のノートとか、プリントとかまとめておいたの。良かったら」


「わ、わたしに?」


「もちろん」




何が起きているのだろう。

丁寧に綴じられたノートのコピーやプリント類。パラパラと確認しながらも、頭は大混乱だった。




「実はね、生徒会長から頼まれてて。原さんが復帰してから困らないようにって」




髪を後ろで結んだ岡本さんは、そう言って控えめに微笑む。




「そうですか……会長が……」


「原さん、生徒会の会計なんでしょ? 知らなかった。すごいね」


「え!? いやいや、そんなこと……」