うちの生徒会長は今日も読めない




……敬人は気に入った物にはどこまででも執着する代わりに、そうでないものに対しては全くと言って良いほど情が湧かない。

どこまでも冷酷になれる。

相手が旧友と呼べるような間柄だったとしても。




「桃。生徒会書記は今日付けで解任する」


「っ……」


「お前を特別な存在だとか一回も思ったことねーよ。目障りだからさっさと失せろ。で、二度とオレの前に現れんな」





敬人に蔑んだように見下ろされ、ずっと泣きそうだった桃の大きな瞳からとうとう大粒の涙がこぼれ落ちた。

彼女は何かを言おうと口を開きかけ、だけど言葉が見つからなかったらしい。


固く唇を結んで、持っていたトートバッグの中から何かを取り出し、腹立ち紛れといった感じで力いっぱい敬人に投げつけた。




「……」




敬人が痛みに顔をしかめている間に、くるりと背を向けて走り去っていく。

投げつけられたのは、宣伝シンデレラの劇で使っていたティアラだった。




「ちっ」