「あんなに恵まれた顔立ちしとるくせに、それを隠してまるで自分に自信がない地味な女として振る舞って……それがうちのこと馬鹿にしてるみたいでめちゃくちゃ腹立ってた。それに──」
桃は泣きそうな顔でふるふると首を振る。
続く言葉が何か、敬人には何となくわかっていた。
「あんたもあんたや、敬人。うちの気持ち知っとるくせに」
桃のことは小学生の頃からの付き合いだ。
中学は離れていたものの時々連絡は取り合っており、桃は敬人が行くならという理由でこの高校を選んだ。
そんな彼女の気持ちに気付かないほど、敬人は鈍いわけではない。
だが。
「オレがそれに応えることはないって、もう何度も言ってるはずだ」
「それでもうちは、あんたの役に立とうと頑張ってきた。恋愛感情を持ってはもらえんくても、少しは特別な存在になれたと思っとった。なのに何で……何であの子のことは……! 何でうちやなくてあの子なん……!?」



