夜を照らすmagic

首を傾げたメルたちに対し、僕たちは説明した。

「この小説を、あのペストマスクの人物が都合のいいように書き換えたんだ」

「だから僕たちの攻撃が効かないし、あの人は異常に強い。でも小説を書き直せば大丈夫」

そう説明した時だった。僕とノルの目の前にノートが現れる。それはあの日、多々良先輩が見せてくれたノートだ。ペストマスクの人物が動揺する。

ノートを開けると、多々良先輩の字が消されて汚い字で書き込みがしてあった。酷い。多々良先輩が一生懸命書いた小説に……。

「ノル、書き直そう!」

「うん!」

僕とノルが書き直そうとペンを取り出す。その時だった。ペストマスクの人物が大声を上げる。

「それを書き直すなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ビリビリと空気が震える。ペストマスクの人物が地面を蹴る。まずい。僕たちに近付いてくる。防御魔法を取ろうとした僕たちだったが、その前にリオンたちが動いてくれた。

「ここは通さない!!」

リオンとリオが弓を次々と放っていく。