夜を照らすmagic

吹き飛ばされた二人にエリカさんとエリーが駆け寄る。メルとメルキュールが素早く回復魔法の呪文を唱えた。シャルロットさんとシャーリーの傷が治っていく。その中、メルとメルキュールが口を開く。

「ノワール、ノル、僕たちはこれからどうしようか。あいつ、全く攻撃が効かないよ」

「僕たちはあのオズワルドさんと戦った。それなりに実力はあるはずだ。それなのに攻撃が効かないなんて、おかしすぎない？」

確かに二人の言う通りだ。僕とノルは顔を見合わせる。

「ノル、君はどう思う？」

「あのペストマスクの人物、あの人は早いし強い。でも、動き方に違和感がある」

「……やっぱりそうだよね。出来すぎてる」

ペストマスクの人物は強すぎる。まるで、素人が書いた俺TUEEE系小説みたいだ。

「これは、多々良先輩の書いた小説……」

そう呟いた時、自然と答えが落ちた。僕とノルは目を見開き、二人同時に叫ぶ。

「小説の書き換え！！」

「小説の書き換え？」