『多々良先輩!とっても面白いお話でした!特にこのシーンが……』
僕が感想を話すと、多々良先輩は嬉しそうに笑っていた。
『嬉しいな。誰にも「小説書いてるんだ。読んで」なんて言えなかったから……』
その瞳の奥には、どこか憂いも秘めているような気がした。でも、僕は踏み込むことが怖くてそれに触れることはできなかった。
そして多々良先輩が中学校を卒業してからは、僕は多々良先輩と会うことはなかった。
(どうして忘れてたんだろう。あんなにも、楽しくて面白い物語だったのに……!)
僕の意識が浮上する。隣を見れば、ノルも体を起こしていた。僕たちは顔を見合わせる。
「思い出した」
「うん。これは大切な思い出の一つだ」
その時、カズの「おりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」と大きな声が耳に届いた。前を見ると、未だに泣きながら辺りを凍らせていく多々良先輩に対し、カズたちが攻撃をしていた。
カズたちの攻撃が当たる。多々良先輩の体が傷付き、血が流れていく。多々良先輩の頰を涙が伝った。
「痛い……痛いよ……どうして……」
僕が感想を話すと、多々良先輩は嬉しそうに笑っていた。
『嬉しいな。誰にも「小説書いてるんだ。読んで」なんて言えなかったから……』
その瞳の奥には、どこか憂いも秘めているような気がした。でも、僕は踏み込むことが怖くてそれに触れることはできなかった。
そして多々良先輩が中学校を卒業してからは、僕は多々良先輩と会うことはなかった。
(どうして忘れてたんだろう。あんなにも、楽しくて面白い物語だったのに……!)
僕の意識が浮上する。隣を見れば、ノルも体を起こしていた。僕たちは顔を見合わせる。
「思い出した」
「うん。これは大切な思い出の一つだ」
その時、カズの「おりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」と大きな声が耳に届いた。前を見ると、未だに泣きながら辺りを凍らせていく多々良先輩に対し、カズたちが攻撃をしていた。
カズたちの攻撃が当たる。多々良先輩の体が傷付き、血が流れていく。多々良先輩の頰を涙が伝った。
「痛い……痛いよ……どうして……」

