夜を照らすmagic

シャルロットさんが指差したのは、分厚い扉だった。講堂と書かれている。

「ゴーストに開けさせるぜ」

カズとカイルがゴーストを召喚する。ゴーストがゆっくりと扉に近付く。刹那、分厚い扉がゆっくりと開いた。冷たい風が僕たちの頰を撫でる。講堂の中は、まるで冬のように冷たい空気が漂っていた。

「寒い……」

みんな体を震わせている。僕とノルが呪文を唱え、みんなの体を温めた。リオンとリオが息を吐き、「ありがとう」とお礼を言う。みんなもホッとしたような顔を見せた。

「あそこに誰かいる」

メルキュールが舞台を指差す。舞台の上にはメルキュールの言う通り、一人の女性が両手で顔を覆って泣いていた。

「物の怪か……？」

カズとカイルが警戒しながら武器を取り出す。メルキュールとメルがすぐに二人を止めた。

「あの人は物の怪じゃないよ」

「誰なのかな？あの人が他の人たちを消しちゃったの？」

エリーさんとエリカさんが不安そうに顔を見合わせる。緊張が講堂を支配する。僕とノルが動いた。