夜を照らすmagic

「なぁ、食堂から人が消えてるぜ。さっきまで大勢いたのに！」

カズが目を見開きながら言う。僕たちは慌てて食堂を覗き込んだ。カズの言う通り、食堂の椅子には誰も座ってない。でも、テーブルの上には食べかけの料理やスイーツだけが置かれている。

「どこに消えてしまったんだろう……」

リオが不安そうに手を動かしながら言う。学校の中は一瞬にして静まり返った。誰の声も聞こえない。

「もしかしたら誰かいるかもしれませんし、探してみましょう」

シャーリーがそう言い、廊下を歩き始める。僕たちもそれを続いた。さっきまで人がいたのが嘘みたいに、教室にも廊下にも人がいない。

「誰かいませんか〜……」

「いたら返事してくださ〜い……」

エリカさんとエリーさんが、いつもよりずっと小さな声で辺りに呼びかけている。声が小さいのはきっと不安があるからだろう。

「みんな一体どこに消えたんだろう。物の怪の仕業ってわけじゃなさそうだけど……」