【短編】花が散れば花が咲きにけり

僕は未鐘が好きなの。
「もしもし。僕だよ、景だよ」
千鶴ちゃんが声を出す前に僕は押さえつけるようにひっそりと落ち着いた声を出した。心臓が震えて動悸がするかと思ったのにそんなことはない。
「景くん、ごめん!今日のことは全部彼氏との予行演習なの。だから誓いのキスに等しい意味で夕陽も見たの。」
ひどい、彼氏との予行演習にするために僕を、、いや僕の恋心を利用するなんて。
「できるだけ私のこと好きそうな人が良かったんだ。最初から言おうとしてたんだ。」
嘘っぽい。確かに、いい出しそうな時はあったけど全部わざとに見えたし。意地悪な声。
「だって、新城くんって私のこと、、好きじゃん?だから面白いし予行演習にもなるじゃん。一石二鳥だよ。新城くんも楽しかったでしょ。いっそのこと裏彼になっちゃう?そしたら毎週私とデートできるし。どう?私結構可愛いし恋人への待遇は悪くないよ」