【完】ぜんぶ、ちょうだい。




「しあわせ~……すき。しあわせです、私。好きです」



歩きながら、つい何度も口に出してしまう。



「さっきから何回言ってんの?」



呆れた声が飛んでくるけど、知ったことか。

グヘへ、なんて、女子高生としてどうなんだって自分でも思うくらい、汚い笑い方になってしまう。

でも、ニヤケが止まらないんだもん。


先輩のお家で、先輩と愛(?)を確かめ合って、そのうえ今こうして私の家まで送ってくれている。

これってもう、どう考えても――愛されてる、よね?



「私、愛されてますよね!?」



勢いよく聞いたら、即座に返ってきた。



「外で、大きい声出すのやめれる?」



フンフーン、と自分でも意味の分からない即興の鼻歌を歌いながら、恋人繋ぎしたままの手をブンブン振り回す。

先輩の手は大きくて、あったかくて、離す気なんて一ミリもない。


ああ、ほんとに。
幸せすぎて、どうしていいか分からない。
胸の奥がずっとふわふわしていて、世界がちょっとキラキラして見える。


この手がつながっている限り、私はたぶん、ずっとニヤニヤしてるんだと思う。