【完】ぜんぶ、ちょうだい。




……私も、すき。
好き。
大好き。



「……大好きです、先輩」



ぐっと涙をこらえて、唇を噛みしめる。
声が震えないように必死だったのに、それでも少しだけ裏返ってしまった。


先輩は、そんな私を見て、ほんの一瞬だけ目を細める。
困ったようで、でも嬉しそうで、どうしようもなく優しい顔。

そのまま、そっと私の頭に手を置いて、くしゃっと撫でる。



「知ってる」



低くて、落ち着いた声。



「伝わってる」



そう言って、今度は額と額を軽く合わせてくる。

近すぎて、息がかかって、心臓がうるさくて、逃げ場がない。



「……だから、そんな顔しないで」



その一言で、堰を切ったみたいに涙がまた溢れてしまった。
でも、もうさっきまでの涙とは違う。


好きだって言ってもらえて、好きだって言えて、ちゃんと、同じ場所に立てた気がして。


胸はまだ苦しいけど、痛いけど。
それ以上に、あったかくて、幸せだった。