【完】ぜんぶ、ちょうだい。




昨日の帰り際、先輩に「プレゼント、なに欲しい?」って聞かれたとき、正直、困ってしまった。


だって、放課後デートだけでも、もう充分すぎるほどのプレゼントだったのに。
そのうえケーキまで用意してくれて。
それだけで、胸がいっぱいで、幸せで、どうしていいか分からなかった。



なのに先輩は、どうしても何かあげたいんだって言う。
その気持ちだけで、こっちはもう限界なのに。
これ以上受け取ったら、本当に死んでしまいそうだった。



そんな流れで、
――そういえば、連絡先知らなかったな、なんてことを思い出して。


勇気を振り絞ってお願いしたら、あっさり、でもちょっと不服そうな顔をしながらも、交換してくれた。

それだけでも十分すぎるのに。


別れ際、先輩は何でもないことみたいに、さらっと言った。



「来年は、ちゃんとしたのあげるから」



……爆弾すぎる。

その一言が頭から離れなくて、布団に入っても、目を閉じても、心臓だけがずっと騒がしかった。

結局、夜はほとんど眠れなかった。

それなのに今日も、私はまた、意味もなくトーク画面を開いている。