「ちょっとあなた!何してるの!」



一限に私のクラスで数学をしていたはずの、清水先生がいた。



「授業をサボるなんて!そんなんだから、あなたはせなさんみたいになれないのよ?」



そんなの、言われなくてもわかってるよ。



私はせなみたいにはなれない。



どれだけ努力したって、全然ダメなんだから!



先生お願い、先生の前で泣きたくないの…。



だから、教室に戻ってほしい。



そんな私の願いも虚しく、先生の前で泣いてしまった。



「ちょっと何泣いてるのよ!」



先生は声が高くて大きいから、みんなに丸聞こえだ。



「あれれー?佐藤さん、何泣いてるのかなー?」



「泣くとかだっさー」



教室から声が聞こえてきた。



もう辞めてよ…。



これ以上、私をイジメないでよ…。



せめて泣き顔を見られないようにしたい。



泣き止むまで、ここにいたい。



そう思ったのに、



「ほら行くよ」



先生に無理やり手を引かれ、みんなに泣き顔を見られた。



「うわー見てあれ!佐藤さん目真っ赤っか」



「ちょーウケる」



「やっばぁ、写真撮っとこ」



もう何も抵抗できない。



写真を撮られようが、何を言われようが、私には何もできなかった。