家族になった来栖くんと。





「俺……嘘ついた」


「…うそ……?」


「あの日…、中学のとき。クラスメイトたちに白山さんが攻撃されないように守りたかった気持ちと……自分の保身のために動いた気持ちの両方あった」


「……!」



驚きといっしょに引きそうになったところを、余計に引き寄せられる。



「それと俺は安口と付き合ってなんかない。中学のときから…、あんなの誤解だ」


「…そんなの……遅すぎる…」


「…わかってる」



今更だよ。
今更すぎるよ来栖くん。

だって私もう、彼氏がいるんだよ?


すごく優しくて、必ず言葉で伝えてくれて、些細なことも可愛いって言ってくれる、とても格好いい人だよ。


恋愛に大切なものはタイミングだと、何かで読んだことがある。

いちばん伝えなくちゃいけないときに伝えられなかったら意味はないんだと。



「じゃあどうして…っ、あんなこと言ったの…?」



あの日も、あの日だって。

玄関前で来栖くんの口からハッキリと渚ちゃんと付き合っていることを聞いたんだ私は。


あれが私たちのちゃんとした「お別れ」だった。


お別れ……だったでしょう。