「なんで…泣くの」
わからない。
責めたい、どうしてって言いたい、なんで助けてくれなかったのって、私の味方で居てくれなかったのって。
でも、やっぱり恨めないから。
悔しさと悲しさと、ごめんねっていう謝罪が合わさって、目尻いっぱいに浮かんだ。
「そんな顔すんなら、また無理やりにでもするよ?」
「…するって、なにを」
「……言わせようとする白山さんもどーかしてる」
熱さより、切なさ。
どうしようもなかった、自分じゃどうにもできなかった。
来栖くんから感じてくるそんな気持ちが、どうしてかひとつひとつ私の心に刺さる。
「…うるさいなそれ」
なかなか鳴り止まない着信音。
どこかから「それ以上したら許さない」とでも、着信相手が警告しているかのようだ。
そこで鳴り止んで、今度は外の風がちょうど開けられた窓に入ったとき、窓際に置かれていた缶ケースが床に落ちた。
「あっ…!」
フタが開いたのもまた、偶然。
飛び散ったレシートやチケット。
数としては多くないものの、いちばん分かりやすかったものとして「かまくら祭り」と書かれたチケットがある。



