それが彼の特別な顔なんだろう。
ただ、ひとつだけ。
絶対に無視できないものが新たに生まれていたりして……。
「寧々ちゃん…」
「んー?」
「今まですっごく冷たかった人がね…なんか、急に懐いてくる感覚って……なにかなあ?」
「……猫?」
「えっ、いや……一応はヒト…です」
猫みたいだとは、そりゃ切実に思うけれど。
今までツンケンしてて、そっけなくて、釣れなかったような男の子が急に近くに居ることが増えた。
説明するなら、ふとした時、だ。
気にしていないときほど、なぜか彼は私のそばに座っていたり、気にしてないときほど心配してくれる言葉をかけてくれたり。
「ねえ、それって同居してるクズ元カレのこととか言わないよね?」
「えっ、いや……???」
「わっかりやすー……。つまりさ、単純に焦り出したんだよ。そいつ」
隠せ、隠すんだ私。
………もう遅いです、自首します。



