「白山さんが言ったの?ほんとに?」
「うん。だって私とつぐみちゃんはお友達だから…」
だけど、クラスメイトの安口 渚(やすぐち なぎさ)だけには白山さんの口から打ち明けている事実をこの場で知って。
俺は、ほんの少し、嬉しかったんだ。
つまりこの人は友達の恋を応援するために、せめて俺に密かに伝える形で消化したかったんだろう。
もちろん振られる前提。
安口さんなりのケジメってやつだ。
という考察は、歪んだ形となって裏切られる。
「そっ、それでも私はいいの…!!」
「…は?」
「来栖くんがつぐみちゃんと付き合えるなら……私のことも、見てくれるんじゃないかなって…」
予想もしなかった発言に、俺は一瞬だけ思考が停止した。
つぎに浮かんだものは白山さんの笑った顔。
そのあとすぐ、泣き顔に変わった。
そしてふつふつと目の前の女に対して怒りのようなものが湧き上がってくる。



