家族になった来栖くんと。

須和side




「ありがとうございましたー」



気絶したクラスメイトを背負って、タクシーから降りる。


ごめん白山ちゃん。
勝手に学生証見て、住所調べさせてもらったよ。

俺の気持ちがちゃんと伝わってくれたかは不安だけど、明日からの毎日が少し楽しみだ。



「…つぐみちゃん」



背中におぶった女の子の名前を呼んでみても返事はない。


一目惚れとは少し違うが、似たようなものをしたのは本当。


転校先の学校で再会して、隣の席になって、やっぱり変わらずいい子で。

からかいたくなるっていうか、ちょっかいを出したくなるっていうか、それさえ真面目に受け取ってしまう健気さにやられたと言えば正解。



「…くる……、くん…」



俺の名前じゃないことだけは分かった。


クルクン?
なんかのゆるキャラ?

意識がなくても口ずさむってことは、相当そのキャラクターのことが好きなのかな。