晃太郎と馬車鉄道に乗って上野に向かう。 気持ちのいい風に吹かれ、窓の外を眺めた。 町を行く女性は、やはりまだ着物姿がほとんどだが、男性は洋装の人も多い。 移りゆく街並みも服装と同じに和洋混ざり合っている。 そのごちゃっとした色の洪水が、通りをより華やかに見せていた。 「もうすぐ電車が通るから。 この馬車鉄道もなくなってしまうんだろうな」 そんなことを晃太郎が言う。 どんどん変わっていくこの国を私はいつまで、この人と見られるのでしょうね? そう珠子は思っていた。