僕の愛しい泥棒娘

そう言っていると侍従が騎士の格好をして、
“こちらです”と言って公爵たちの集っている
広間まで案内してくれた。

後は、宰相とカリアス総長の独断場で公爵邸
の騎士は騎士団にあっという間に捕縛された

ワイナリー公爵は大声で怒鳴り散らしていた
が、他の貴族は誓約書の写しを見せられると
観念したようにおとなしくなった。

各婦人達も全員捕縛された。皆泣き叫んでい
たが騎士団の騎士は誰一人同情する素振りも
なく粛々と任務をこなしていた。

公爵達高位貴族は王宮の東棟の貴族や王族
の牢屋にそれぞれ入れられた。

夫人達や子供や下位貴族は王宮の地下牢に
収監された。

そしてその後1カ月に渡り議会ではワイナリ
ー公爵一味の審議が行われた。

ワイナリー公爵と嫡男ボラリス以外は、皆
カリアス総長の尋問にほとんどがあっけなく
口を割った。

ワイナリー親子だけは無言を通したが、ワイ
ナリー公爵家族は全員反逆罪で処刑が決まっ
た。

その他の誓約書にサインした者も全員処刑と
なった。

ただ積極的に口を割った者は、妻や娘、両親
などは処刑とはならず島流しや鉱山での過酷
な労働、厳しい修道院へ送られる事となった

但し男子の子供は全員処刑と決まった。

中には１０歳の子供もいたが、１２歳の息子
は処刑になるのに１０歳の子供だけ助ける訳
にはいかず、10代の男子は毒殺となった。

それが随一の恩情だったのだ。