僕の愛しい泥棒娘

女性はしっかりと読み書きができる事で高位
貴族の侍女になる子もいたのだ。

マナーも習得教科の一つになったので男女共
に最低限のマナーは身につけるように教えら
れた。

この学校の卒業生と言うだけで信用が、付く
ようになった。

人気作家となった子もいるし料理教室を開い
たりそろばん教室を開いたり各自が自分で食
べていく道を模索できるようになったのが、
ユミアには一番嬉しかった。

孤児院や制作工房、そしてアズナール商会は
そう言う子供達への支援を惜しまなかった。

開業するときに資金計画がきちんとしていれ
ば、低金利で融資を受けられると言う制度を
ユミアが作ったのだ。

奨学金や融資という言葉自体が初めての事で
アウスレッドさえも、ユミアのその発想に驚
いていた。

前世では当たり前の事だったのだが、でもこ
れで女性でも開業しようと言う有志も多くな
ったのだ。

職業婦人という言葉も定着していった。

ユミアとアウスレッドは結婚後もそんな事に
奔走し二人して走り続けたのだった。

アズナール商会やエクスポリア国にオープン
した貴族相手の“シャウルー“の2店舗目や、
セオドア国の王都にオープンした“シャウル
ーセオドア店”が軌道に乗って、それぞれの
部門の長が育つのに3年が掛かった。

その時にはアズナール商会はセオドア国でも
バンダイナム国でもその国の経済を牛耳るほ
どになっていた。