僕の愛しい泥棒娘

”シャウルー“も大繁盛でほとんどの物が、売
れたそうだ。

サリーヌは工房に、今仕上がっているものを
急いで納品するように頼んだ。

今日はサリーヌと店の皆は、納品された物の
価格付けをしなければならない。

そしてユミアはクッキーを焼かなければなら
ないのだ。

猫の形のクッキーと肉球のクッキーが一番
最初に売り切れたらしい。

カフェのスイーツもマドレーヌと苺のホール
ケーキを作って8等分にしたものを出す予定
だ。

今日はカフェも一日中満席だったらしい。

そこでも話題になっていたのは、やはり3国
の騎士団が総当たりで試合をする団体戦だ。

今日は、セオドア国とバンダイナム国との試
合があってセオドア国が勝利した。

王宮の広場には大砲や銃剣に盾や鎧などの
武器や武具が展示されていた。特に大砲が
１０問並んでいたのは壮観だった

ユミアは皆に申し訳なかったがアウスレッド
と共に公爵家の席で騎士団の試合を観戦した
のだ。

その前に公爵家で侍女に囲まれて髪の毛や肌
や爪を手入れされ、盗んだ事はあるが着た事
はない貴族のドレスを着せられてそれだけで
疲労困憊だった。

メアリーヌ様やシャウリーヌ嬢は綺麗だ綺麗
だと言って大はしゃぎしていたが、用意がで
きたかと部屋に入ってきたアウスレッドを見
て目が潤んできた。涙を流さないように堪え
るのが大変だった。

アウスレッドは、ユミアがこの騒ぎを少しも
喜んでいないのを感じていた。