良太(……ふわふわでいい匂いで……非力だ。俺が守れないと)

由貴「りょ、良太くんっ……ご、ごめんねっ……?嫌だったよね」

良太「は……?な、なんで謝るんですか?」
 (好きなあなたに、他の好きな人がいたから?)

由貴「だ、だって……」
 (迷惑、だよねっ……ただの、近所のお姉ちゃんに好かれてるなんて……)


良太(っ……泣きそうな顔して、撫でたくなる)


下唇を噛み締めてまた我慢した。


由貴「わ、忘れて欲しいの、これからも良太くんと仲良くしたくてっ……」

良太「……ひどい人ですね」
 (好きな人がいるのに、俺と一緒にいたい?そんなの、ずるすぎる)

由貴「えっ……あ、っ、ああ……ご、ごめん……」


とうとう涙を流した由貴。


良太「っ……なんで、泣いてるんですか」

由貴「いや、だって……フラれちゃった、から」

良太「……は?え?だ、誰に?」

由貴「えっ……君だよ?」

良太「……は!?」


目をまんまるにさせる。いつでも、由貴を連れ込めるように空けておいた教室に入った。

ふかふかなソファに座らせて、自分も隣に座る。


由貴「あ、あのっ……もしかして、勘違いしてる?」

良太「か、勘違い……?だから、あなたには好きな人が……」

由貴「好きな人、良太くんだよっ……?ほら、小さい頃結婚しようねって約束したでしょ?その時から、私ずっとあなたが好き……」

良太「……え……??」


ポカンとする良太。


○回送


良太「由貴ちゃん!大きくなったら、お嫁さんになってほしいの!」

由貴「え!お嫁さんにしてくれるの?嬉しいなぁっ!私良太くんとずっと一緒にいる!」

良太「うん!きれいなうえでぃんぐどれすで、豪華な結婚式しようね!」

由貴「うん!!良太くんだぁいすき!」


ぎゅっと抱きついた由貴。

○回送終了


良太(……いや、いやいや、まさかな?だって、由貴さんにとって、僕は子供でっ……)

由貴「ね、ねぇ良太くん……?ほ、ほら!!嫌だもんね、ごめん——」


気がつけば、由貴をぎゅっと抱きしめていた。


良太「お、俺もっ……あの時から、いやあの前から、ずっとあなたが好きですっ……」

由貴「えっ……えええ!?ええ!?ほんと!?」

良太「は、はい……!嬉しいです、由貴さんと付き合いたくて、大好きで……ずっと、わざと道で出くわしたふりしたり、由貴さんの課題を隠して俺を頼らせたり、ジャージ奪ったりしてましたっ……!!」

由貴「……ん??」


今度は由貴がポカンとする。そして、良太の狂気的な愛の顔が目に入る……。