理緒「はよー良太」

良太「んだよクズ男」


キッと理緒を睨みつける。浅上理緒(あさがみ りお)、金髪がよく似合う、モテ男であり、女遊びが激しい。


理緒「あっはは、朝からクズ男だなんて嫌だなぁ」

良太「俺は今先輩で忙しいんだ」

理緒「また例の“先輩”かよ」

良太「ああそうだよ、別にいいだろ」

理緒(……ふーん)※何かを企んでいる顔

理緒「俺が見定めてやるよ!」

良太「……は?何言ってんだよ」
(まさか、な)

理緒(確かに俺はこんなクズになったが、これでも良太は大切な親友なんだ。長年たぶらかしてる女なら、“確かめないと”な)



△放課後○由貴のいる2年生の教室


良太(はぁ……なんとか憂鬱な1日が終わった。あとは、由貴さんとばったり出会して帰るだけだ)


由貴の様子を確かめにきた良太。いつもならまだ教室にいる時間なのに、そこに由貴の姿はなかった。


良太(なんでだ……!?)

心優「……あ、君は……由貴の後輩くん?」

良太「そうですけど……」

心優「確か柊木くんだよね?よく話聞いてるよ。由貴のこと探してる感じ?」

良太「っ!はい、知ってるんですか?」

心優「あー……詳しい場所はわかんないんだけどさ、急いでどっか行っちゃって……なんか、机の中に入ってた手紙読んでた気がする」

良太「は……わ、わかりました。ありがとうございます」


ぺこりと頭を下げて、すぐに走り出した。

○校舎裏



由貴(……ここでいいのかな?)※キョロキョロ辺りを見回す


由貴(机の中に入ってた、裏紙に書かれた手紙……放課後、校舎裏にて話したいことがありますって。イタズラかもしれないけれど、大事なことなら断るのは申し訳ないし……)


ザッと、足音がする。


由貴「……あ、あなたが私にお手紙くれた人、ですか?」
(……ネクタイの色的に、後輩だ)


緑色のネクタイは一年生を表している。


理緒「はい、そうです」※キラキラにっこり微笑む

由貴(ま、まぶしいっ……)

由貴「えっと、御用は……?」

理緒「好きです、先輩……!!俺と付き合ってくれませんか?」

良太(……は……?)


ちょうど到着した良太は、目撃して絶句した。