○放課後の教室


良太「……」


ジャージをぎゅっと握りしめて、その匂いを嗅ぐ男。


良太「あははっ……由貴先輩のいい匂い……」



○次の日、由貴の家


由貴「行ってきまーす!」


誰もいない家に向かってそう言う。
灰色の髪に、紫色の瞳のストレートヘアが可愛らしいこの子は、冬月由貴だ。

ずっと入りたかった高校に入れたはいいもの、片道1時間半なため、二年生になる際に学校の近くで一人暮らしを始めた。



良太(……あと、10秒で由貴さんが右から出てくる)


由貴「ふぁああ……」※あくび

良太「……あ!由貴さん、おはようございます!奇遇ですね」

由貴「わぁ、りょ、良太くん?!」

良太「はい!」

由貴(ふふっ、まさかこんな感じに会えるなんて、運命っぽくて嬉しいなぁ〜)


可愛らしく微笑む由貴は、良太に恋をしていた。


由貴(まぁ……私は近所のお姉ちゃんとしか、見られてないんだろうけどね)※少し悲しそうに切ない顔


良太(由貴、さん……可愛い可愛いあくびしてたよな?可愛い、眠たいのかな。そうですよね、だって昨日夜更かししちゃってたし……朝7時に起きて、眠れたのは6時間だもん、眠いですよね)


由貴「せっかくだし、一緒に行こっか!」

良太「はい!」