「……律はバカじゃない方の男の人、でしょう?」
「んー…どうだろうなぁ。案外バカかも。怜花に『お願い』って言われたら大体何でもやっちゃうと思う。」
「……それはちょっとおバカさんかも。」
「外ではちゃんと賢くしてるからさ。怜花の前でくらいは何本かネジ飛ばしちゃっても多めに見てよ。っていうかさ、九重くんはまぁギリいいけど、他の人はダメだから、触っちゃ。隣もダメです。それは肝に銘じておいてね?」
「……わ、わかりました。」
「ん。素直。」
律が微笑むとホッとする。少しだけ口元が緩んで、微笑むことができる。怜花が微笑み返すと律の笑みは深くなる。
「ごちそうさまでした。なんか温かいの淹れようか。夜だからほうじ茶がいいかな。」
「あ、やるよ、私。」
「怜花はご飯作ってくれたんだしいいよ、ソファで座ってて。食器洗ってお茶淹れたらそっち行くから。」
「あ、ありがとう。」
「うん。」
律が手慣れた様子でお湯を沸かし、その間に皿を洗う。怜花は一度、寝室の隣にある怜花の部屋に向かった。小さなクリアファイルに入れたまま封を開けていない封筒を手に取ると、怜花ははさみで片側をまっすぐに切った。その中身を一人で見るには勇気が足りないから力を借りるべく、そのままゆっくりとリビングに戻った。
「はい、丁度できたよ。ここに置いておく?」
「ありがとう。」
律の視線は怜花の手元に移った。封筒を見つめると一瞬で真剣な眼差しに変わる。
「一人で読んだの?」
怜花は首を横に振った。
「一人で読む勇気がなかったから、……ちょっとだけ勇気を貸してくれる?」
怜花がそう問うと、律は頷いてふわりと優しい笑みを浮かべた。そしてソファに座ったまま腕を大きく開く。
「うん。まずはこっち来て、一回抱きしめさせてよ。んで、怜花が話しやすいポジション探そう?」
「……うん。」
怜花の足音がひた、ひたと静かに鳴る。律の隣に座ると律の腕がそのまま怜花を抱きしめた。
「なんで今日、話そうって思ったの?」
「……いい加減、逃げてばっかりじゃだめだなって思ったのも、あるし。」
「うん。」
「逃げ続けられるものでも、多分ないんだと思う、し。」
「うん。」
「……あと、ね。」
「うん。」
律の手が怜花の髪を撫でた。
「律にとって休む場所でいられる、私でいたいなって思ったの。」
「んー…どうだろうなぁ。案外バカかも。怜花に『お願い』って言われたら大体何でもやっちゃうと思う。」
「……それはちょっとおバカさんかも。」
「外ではちゃんと賢くしてるからさ。怜花の前でくらいは何本かネジ飛ばしちゃっても多めに見てよ。っていうかさ、九重くんはまぁギリいいけど、他の人はダメだから、触っちゃ。隣もダメです。それは肝に銘じておいてね?」
「……わ、わかりました。」
「ん。素直。」
律が微笑むとホッとする。少しだけ口元が緩んで、微笑むことができる。怜花が微笑み返すと律の笑みは深くなる。
「ごちそうさまでした。なんか温かいの淹れようか。夜だからほうじ茶がいいかな。」
「あ、やるよ、私。」
「怜花はご飯作ってくれたんだしいいよ、ソファで座ってて。食器洗ってお茶淹れたらそっち行くから。」
「あ、ありがとう。」
「うん。」
律が手慣れた様子でお湯を沸かし、その間に皿を洗う。怜花は一度、寝室の隣にある怜花の部屋に向かった。小さなクリアファイルに入れたまま封を開けていない封筒を手に取ると、怜花ははさみで片側をまっすぐに切った。その中身を一人で見るには勇気が足りないから力を借りるべく、そのままゆっくりとリビングに戻った。
「はい、丁度できたよ。ここに置いておく?」
「ありがとう。」
律の視線は怜花の手元に移った。封筒を見つめると一瞬で真剣な眼差しに変わる。
「一人で読んだの?」
怜花は首を横に振った。
「一人で読む勇気がなかったから、……ちょっとだけ勇気を貸してくれる?」
怜花がそう問うと、律は頷いてふわりと優しい笑みを浮かべた。そしてソファに座ったまま腕を大きく開く。
「うん。まずはこっち来て、一回抱きしめさせてよ。んで、怜花が話しやすいポジション探そう?」
「……うん。」
怜花の足音がひた、ひたと静かに鳴る。律の隣に座ると律の腕がそのまま怜花を抱きしめた。
「なんで今日、話そうって思ったの?」
「……いい加減、逃げてばっかりじゃだめだなって思ったのも、あるし。」
「うん。」
「逃げ続けられるものでも、多分ないんだと思う、し。」
「うん。」
「……あと、ね。」
「うん。」
律の手が怜花の髪を撫でた。
「律にとって休む場所でいられる、私でいたいなって思ったの。」



