私の婚約者は、嘘ばっかり〜クズだけど優しい彼〜

「そうゆう問題じゃないから」

ピシッと冷ややかな目で断られた。
この顔はもうダメだ、絶対にYESとは言ってくれない軽く軽蔑された目で見られてる…

「衣咲の気持ちはわかるけどそれは出来ないよ」

「……。」

「そもそもそれは衣咲がついた嘘なんだから、人に頼らないで自分で解決すること!」

「十々子…っ」

十々子の言うことはもっともで、正論で返されたら何も言えない。
咄嗟にその場しのぎで嘘をついた私のせいなんだし、だけどあの場でそれ以外逃れる方法がなくて…

「じゃあ私仕事戻るから、衣咲もそろそろ仕事戻りなよね!」

「十々子~…!」

飲み終えたコーヒーのカップを持ってゴミ箱に捨てるとさっさと休憩室から出て行った。

あぁ頼もしい背中が去っていく、私を置いて去っていく…

他に、考えられる案がなかったんだ。
他に頼める相手もいないし、これから彼氏作るのだってそう簡単にはいかないだろうし。

ふぅっと途方に暮れた、椅子の背もたれに寄りかかって天井を見て。

ここはもう正直に言うしかないのかなぁ、今から私に婚約者なんて見つかるはずないんだから…


「その役、俺にやらせてくれません?」