私の婚約者は、嘘ばっかり〜クズだけど優しい彼〜

え、待って!なんで!?

どうして七瀬くんがここに…!?

「遅いぞ!もう山下さんのお嬢さんはお見えになってるというのに!」

「すみません、ちょっと渋滞に巻き込まれまして」

いやいやいやいや!
これってどうゆう状況!?

おじさんと七瀬くんが普通に喋ってるんだけど!?

というか、七瀬くんだよね!?

七瀬くんでいいんだよね…!?


今日はメガネをしていない七瀬くんが…っ


「七瀬楓です」

きゅっと緩んだネクタイを締め直して、にこっと微笑みかける。

「こんにちは、山下衣咲さん」

それはいつもの七瀬くんで。


……。


…な、なんで?


「待って七瀬くん、あのっ」

全く読み込めない状況に目をぱちくりさせる。

これは何なの?どうなってるの?

「なんだ楓、衣咲さんと知り合いなのか」

「はい、もちろん」

1人あわあわする私と目を合わせて笑うの。

それは前にも一度、聞いたことのある言葉だった。


「だって、婚約者ですから」


ボンッと顔が熱くなる、全然わかってないのに今どうなってるのかもわからないのに…

「なんだ、じゃあ話は早いな!」

何の話が早いのか、おじさん…ってじゃあこの人は誰なの?
私のお見合い相手じゃないとしたら誰…


「息子の楓をよろしくお願いします」


……。

む、息子ーーーーーーー!!?


えっ、ちょっと、わかんない!

急展開過ぎてついてけない!


確か私のお見合い相手は高級ガラスメーカーのリュイールの社長御子息だって…

てっきりこのおじさんがその人だと思っていたけど、息子の楓って言いました?

楓ってことは七瀬くんがこの人の息子なの??


じゃあつまりは私のお見合い相手は…

チラッと七瀬くんの方を見る、そしたらニコッと営業スマイルばりの笑顔を見せられた。


七瀬くんってめっちゃくちゃお金持ちの御曹司ーーーー…!?