私の婚約者は、嘘ばっかり〜クズだけど優しい彼〜

七瀬くんがお茶の注がれたコップを見てふと呟いた。

リュイール?ってどっかで聞いたことあるような…

「楓くん知ってるの?そのグラス、うちの母のお気に入りメーカーなの!」

あ、それだ!
お母さんが言ってた私の本当の婚約者の…っ

「知ってますよ、うちにもあります」

「えーっ、もしかして楓くんもリュイール好きなの~!?」

「うちも母が好きなので」

「え~!?そうなんだ、じゃあうちの母と気が合いそうね!」

…ふーん、お母さん世代に流行ってるのかな?
このグラス…有名だしね、私だって知ってるんだから。

でもこの会社の御曹司が私のお見合いの相手… 


あぁっ

でもどうしても過ってしまう、ハゲオジの存在…!


「衣咲さん、どうかした?」

「え…、あ、なんでもない…」

つい七瀬くんの隣で頭抱えちゃった。
あの写真を思い出すとどうしても、取り憑かれたように叫びたくなっちゃうからよくない…

「七瀬くんの家にもこのコップあるんだなぁって思って」

「あるよ、ほとんどこれだからね」

「そうなの!?」

……高くない?これ。

1個何万もすると思うんだけど…
というかおみやげに買ってきてくれたビスクロもそうなんだけど、お金ないんじゃなかったのかな?

どうして…

「衣咲は楓くんの家、行ったことないの?」