私の婚約者は、嘘ばっかり〜クズだけど優しい彼〜

まぁ、とりあえずはこれ営業部に持っていって訂正してもらおう。
まずはそれからね、婚約者のことは一旦置いといて…

営業部のオフィスに一歩足を踏み入れたところでふと視界に入って来た。

入口のすぐそばでごそごそ何やら機械の後ろで…

「わっ」

ざざーっと紙くずが溢れてきた。
ちなみに今の“わっ”は私じゃなくてシュレッダーの前にいた彼女の声。

「大丈夫ですか…?」

「あっ、すみません!邪魔ですよね、ごめんなさいっ、今片付けて…!」

あー…これはシュレッダーのゴミいっぱいのままさらにシュレッダーかけちゃってゴミ箱開けたら散乱しちゃったやつだな。
わかる、シュレッダーってすぐゴミが溜まるわりに片付ける人って固定なんだよね。気付いた人がやるって結局やらないから、やる人決まってるから。

「掃除機持って来た方が早いと思うよ」

「わっ、そんなあの…っ」

膝を付けて立ち膝で座る、勢いよく引き出しを開けたことで一気に飛び出たゴミを片付けるために。

「ここは私がやっておくから」

この場に遭遇しちゃったからには放っておけないし来たついでだ、ここ片付けたらこの伺書のこと聞けばいいか。

「すみません…、ありがとうございます!」

で、今の子もたぶんそこそこな新人さんだしね。このまま見て見ぬふりじゃ可哀そうだよね。