私の婚約者は、嘘ばっかり〜クズだけど優しい彼〜

…って、私がやればいいんでしょ。

仕方ない、ちょっと営業部言って聞いてくるだけだからこれで仕事がスムーズにいくのならそれがいいから。

ふぅっと息を吐いて立ち上がった。

未完成の伺書を持って営業部へ向かうため、経理部から出ようとして…

「衣咲さん♬」

「七瀬くんっ!?」

わっと現れたから驚いちゃった。
そんなヒラヒラ手を振って現れないでよ。

「今日一緒に帰りませんか?」

「なんで!?」

「なんでって、俺婚約者ですよ」

「…あの、そこまで頼んでないから」

婚約者のフリをしてほしいとは確かに言ったけど、でもそこまで求めてない。
ただ一瞬、少しの間だけ婚約者になってくれたらそれでよくて。

「そうなんですか?」

「そうなんです」

「でもいりません?臨場感とか」

「いらないし、臨場感って何!?」

何を演出してくれようとしてるのか知らないけどそうゆうのいらないから、なんならただその場にいてくれるだけでもいいその場を誤魔化せるならそれで。

「てかそのお母さんに会う日っていつなんですか?まだ聞いてなかったですよね」

「あー、えっと…来月の15日」

「結構先なんですね」

というか、極力先にした。長ければ長いほど見付かるんじゃないかと思って、婚約者。

「まだ1ヶ月くらいあるってことですね」

「うん」

「じゃあやっぱり必要じゃないですか?」

「え、何が…」