好きになっちゃ、いけない。〜イケメン主は家政婦兼最強スパイちゃんを溺愛したい〜

「柚希なら、大丈夫だ」
「えっ、ほ、本当?」
 パッと顔を輝かせる。春雷くんは「やっと笑った」と安心したように言ってから、今度こそ寮のドアの取っ手に手をかける。
「……あと、避けてたのは、自分と目が合うと赤面しちゃう男子って気持ち悪いって思うよなって思ったからだから。柚希が嫌いとか苦手とか、ない」
「き、気持ち悪いなんて思わないよっ……!」
 私は春雷くんの言葉に驚きながらも、そう言葉にする。
 すると春雷くんは、にっと唇の端を持ち上げた。
「柚希ならそう言ってくれると思ってた」
 そして、春雷くんはついに寮から出ていく。
 ……そういえば、春雷くんの笑顔って初めて見たかもっ……。
 それに、避けられてたのだって私のためだったんだ……。
 衝撃の真実が伝えられて、戸惑いながらもよかったと安心した。
 春雷くん……なんか、お兄ちゃんみたいだった……。
 私は腫れているであろう目を、そっと手で触る。
 玄さん……今日は逃げてすみませんでしたって、謝らないと……。
 許して、くれるかな……。