好きになっちゃ、いけない。〜イケメン主は家政婦兼最強スパイちゃんを溺愛したい〜

 そのせいで、私の泣き顔が春雷くんに見られてしまう。
 どうしよう……これ、絶対困らせてるよね……。
「ごめっ……ごめんね、春雷くんっ……」
「ん」
 春雷くんは頷くと、めんどうくさいであろうに優しく私の背中をさすってくれる。
 数分たって、私はやっと涙が止まった。
 結局ずっと隣にいてくれた春雷くんに、「ごめんね」と言う。
「……杏さんには上手く言っとくから。今日は休みな」
 そのまま寮を出て行こうとする春雷くんを、私はあわてて呼び止めた。
「あ、あの……春雷くん、本当にありがとう。私のこと苦手なのに……」
「は?」
 ひ、ひぇっ……。
 睨まれてしまって、私はびくっと反応する。
 春雷くんは、はぁぁっと大きいため息をついた。
「……あのさ、俺お前のこと苦手なんて言ってないんだけど」