好きになっちゃ、いけない。〜イケメン主は家政婦兼最強スパイちゃんを溺愛したい〜

 翌日の月曜日、私たち雑用係は仕事がなんとか一段落ついていた。
 先生が人数分用意してくれたイスに座りながら、台本に目を通す。
「はーい、みなさん注目! もう普通は帰る時間なんだけど、今日は特別にあと三十分残っていいそうです! 残りたい人は残って、帰りたい人は自由に帰ってね〜!」
 実行委員長さんがそう言って、みんなが「はーい」と返事をした。
 私は立ち上がると、近くにいる翔くんに声をかける。
「翔くん、帰る?」
「ううん、俺は残ろうかな。柚希は?」
「私は帰ろうと思ってるよ。また明日、頑張ってね……!」
「ありがとう。また明日」
 手を振ってくれる翔くんに振り返して、私は荷物を持つと空き教室を出る。
 すると、玄さんに呼び止められた。
「柚希。門まで一緒にいかないか?」
「……! はい!」
 誘ってくれたのが嬉しくて、私は笑顔になった。
 昨日は結局一回も会えなくて、今日の朝も茜さま用のお茶を用意したりとしてたから……ちゃんと喋るのは久しぶりな気がする。って、一日ぐらい喋れなかっただけで久しぶりって思うのは変か……あはは……。