「……っ、」胸が痛い、苦しい、 でも確かに思い出した。 「私、湊のことが好きだった、」 震える声でそう言うと、奏多の目が大きくなる。 「莉奈……それ以上言わないで、」 そんなのお構いなしに私は涙を流しながら 続ける。 「……湊も、私のことが好きだった、! なのに私っ、ぜんぶ忘れてた!」 奏多の顔がどんどん歪んでいく。 そして私は本当の私を取り戻した。