らくがきの中の君を、彷徨って見付けてさよならと言って

え…?
それはどうゆう意味?

留学のこと知ってたって…

「だって千颯がそう言って…」

千鶴ママの方を見た。千鶴ママは少し寂し気に笑ってた。


待って、どうゆうこと?

ねぇ、千颯これって…


「千颯、留学のこと私には全然教えれくれなかったから」

それは、どうして?なんで言わなかったの?

「先生から電話で聞いたの、留学の話があるってことをね。だから話し合ってみてくださいって言われて…でもね、千颯からは何も言ってこなくて」

言ってなかったんだ、千鶴ママに。

「悩んでるのかなって思って、千颯から言ってくるのを待ってたんだけどこないだ先生から考え直せませんかって言われて初めて千颯が断ったんだって気付いたの」

なんで言ってたの?
1番言わなきゃいけない相手じゃん、大事な話なんだから何黙ってるの。

「あの子…千颯ね、絵を描くことが好きなのよ」

それは知ってるよ、ずっと一緒に描いてきたから。

「描いてる時は嬉しそうで、好きなものに出会えたんだなぁって私も嬉しくなるわ」

「…うん」

わかるよ、何を言ったってそれは絵に表れるから。
見てればわかるの、ちゃんとわかってるよ。


千颯が絵を好きなこと、私が1番よくわかってる。

だからどうしても許せなくて…


「だけど、千颯は咲茉ちゃんのことが好きなのよね」


千鶴ママが息を漏らすように微笑んだ。


「絵よりも、咲茉ちゃんが大事なの」


私の顔を見てにこっと笑った。

「だから私に何も言わず、留学のことなんかなかったことにしてここにいることを選んだんだと思う」

ぎゅっと心臓が掴まれたみたいだ。押しつぶされそうになる。

胸が痛い、痛くてまたこぼれ落ちる。

「それも千颯の決めたことなら、私が何か言うこともないんだけどね…」

もうずっとずっと息をするのがしんどい。


どうすればいいの?

どうしたらいいの?


「少し妬けちゃうわね、咲茉ちゃんに」


千颯が隣にいてくれないから。