佐伯さんは、いつも穏やかで、柔らかな目元と少し茶色がかった髪が優しい雰囲気を際立たせている。


チームの意見を尊重しながら和やかに仕事を進めてくれる人で、そんな彼と組めることが私は嬉しくてたまらなかった。


「佐伯さん、こちらこそよろしくお願いします」


私は笑顔で答える。佐伯さんは私の企画書を手に取ると、熱心に目を通し始めた。


「千堂さんのアイデア、すごく面白いね。この資料も、とても見やすいし」


佐伯さんの言葉に、胸の奥がじんわりと温かくなる。


「あ、ありがとうございます!」


望月課長には厳しい言葉しかかけられないのに、佐伯さんは私の企画書を手に、優しい笑顔でそう言ってくれた。


誰かに仕事ぶりをきちんと評価される喜びと、それが瑛斗ではないことへの複雑な感情が入り混じり、心が軽くなると同時に、胸の奥がチクリと痛んだ。