鬼課長は、ひみつの婚約者



「ありがとう、莉子」


瑛斗は、私の涙を指で優しく拭うと、そっと唇を重ねた。


ユリとカスミソウの香りに包まれた、甘いキス。


それは、これまでのすべての不安や迷いを溶かしてくれる、愛に満ちたキスだった。


窓から差し込む夏の光が、私たち二人を優しく包み込む。


瑛斗は、私の左手の薬指に、そっとキスを落とした。


そして、私の指を絡めるように、しっかりと手を握りしめてくれる。


彼の温かい掌の感触が、私に確信をくれた。


瑛斗はきっと、私を幸せにしてくれる。そして、私も彼を幸せにする。


この先もずっと、この温かい光の中で、私たちは歩いていける。


私たちは、もう互いに守られるだけじゃない。


二人で支え合い、どんな未来も共に歩んでいける。


私は、瑛斗の顔を見上げた。


「瑛斗。私と出会ってくれて、ありがとう。大好きだよ」


鬼課長と甘い婚約者の二重生活は、本当の意味で始まったばかりだ。


【完】