その日の夜。疲れて帰宅した私は、食事中に急激な眠気に襲われ、そのままテーブルに突っ伏して眠ってしまった。
「ん……」
ふと、身体が宙に浮くような感覚に、目が覚める。
どうやら瑛斗が、私を抱き上げて寝室に運んでくれているようだった。
「……えいと?」
「おやすみ、莉子」
彼は、私を優しくベッドに寝かせると、そっと毛布をかけてくれた。
そして、私を労うように頭を優しく撫で、その髪にキスを落とす。
瑛斗の愛おしそうに私を見つめる瞳に、私は胸が締めつけられるほど、幸せな気持ちになった。
翌朝。私は、いつもより早く目が覚めた。
窓の外には、柔らかな朝の光が差し込んでいる。
ベッドの隣には、まだ穏やかな寝息を立てている瑛斗の寝顔があった。
ふふ。普段はすごく大人だけど、寝顔は可愛いな……。
安心しきった瑛斗の寝顔を眺めていると、胸の奥が温かくなる。
彼に身を預けるようにそっと寄り添い、私は瑛斗の頬にそっと口づけた。
しばらくしてゆっくりベッドから抜け出すと、私は身支度を始める。
今日も、しっかりと頑張ろう。
そう気合を入れて会社に足を踏み入れると、昨日の嵐が嘘だったかのように、静まり返っていた。
しかし、同僚たちの眼差しは、昨日と同じように私に突き刺さる。
ほんの一瞬、怯みそうになった。けれど、私は顔を伏せることなく、真っ直ぐ前を向く。
「莉子ちゃん……おはよう」
朝礼のあと、給湯室で会った真由が気まずそうに声をかけてきた。



