「前にも話したけど……過去のことがあったから、莉子のキャリアを守りたかった。だから、ずっと隠していたんだ。でも……もう我慢できない。これからは、俺たちの関係を隠さなくてもいいんだな」
瑛斗の安堵の声が、静かな部屋に響く。
「もう二度と、莉子を一人にしない」
瑛斗の言葉に、私の目から涙が溢れてくる。
それは、昨日までの不安や孤独、彼に突き放されていた寂しさが、一瞬にして溶けていくような、温かくて心地よい涙だった。
「莉子……」
瑛斗は私の目元の涙を指で拭うと、私をそっと抱きしめてくれる。
予期せぬ形で私たちの秘密が明かされてしまったけれど、もう隠れる必要はない。
私の心を縛っていた鎖は、瑛斗がみんなの前で解き放ってくれた。
彼のこの温かい腕の中で、私はもう迷わない。もう、怯える必要なんてない。
私たちは、誰にも壊せない絆で結ばれているのだから。
これから始まる瑛斗との新しい関係に、私の胸は高鳴るのだった。



