「そういえば、皆さんはいつからこの事務所で働いているんですか?」
レオンハルトが調査で事務所に不在の日、リズは事務所にいるアントーニョたちに訊ねる。全員仕事の手を止め、リズを見つめた。
「僕たちとレオンとの出会いが気になるってことかい?」
オルハンの問いかけにリズが頷くと、「教えてやるよ!」とアントーニョがリズの前に移動した。腰に手を当て、彼は誇らしげに話す。
「レオンとの出会いは、今から五年前だな。俺はビロオンセロに住んでた。俺の家は父ちゃんが小さい頃に死んで、母ちゃんが病気がち。幼い弟が三人いるから俺が働いてた。だけど、どれだけ頑張っても生活は楽にならなくてさ。俺は金を手っ取り早く稼ぐため、ビロオンセロの強盗団に入ったんだ」
「強盗団!?」
リズは息を呑む。アントーニョは続けた。
「定期的に銀行を襲って金を手に入れた。そのおかげで少し生活は楽になった。だけど、俺の稼ぐ金は綺麗な金じゃねぇって家族は薄々勘付いてたみたいでさ。「もうやめてくれ。真っ当に生きてくれ」って懇願されちまった。それで俺も強盗団から抜けようとしたけど、全員に「抜けるなら殺す」ってボコボコにされてさ。殺されかけた俺を救って、それから探偵事務所で雇ってくれたのがレオンだ」
レオンハルトが調査で事務所に不在の日、リズは事務所にいるアントーニョたちに訊ねる。全員仕事の手を止め、リズを見つめた。
「僕たちとレオンとの出会いが気になるってことかい?」
オルハンの問いかけにリズが頷くと、「教えてやるよ!」とアントーニョがリズの前に移動した。腰に手を当て、彼は誇らしげに話す。
「レオンとの出会いは、今から五年前だな。俺はビロオンセロに住んでた。俺の家は父ちゃんが小さい頃に死んで、母ちゃんが病気がち。幼い弟が三人いるから俺が働いてた。だけど、どれだけ頑張っても生活は楽にならなくてさ。俺は金を手っ取り早く稼ぐため、ビロオンセロの強盗団に入ったんだ」
「強盗団!?」
リズは息を呑む。アントーニョは続けた。
「定期的に銀行を襲って金を手に入れた。そのおかげで少し生活は楽になった。だけど、俺の稼ぐ金は綺麗な金じゃねぇって家族は薄々勘付いてたみたいでさ。「もうやめてくれ。真っ当に生きてくれ」って懇願されちまった。それで俺も強盗団から抜けようとしたけど、全員に「抜けるなら殺す」ってボコボコにされてさ。殺されかけた俺を救って、それから探偵事務所で雇ってくれたのがレオンだ」


