*** 朝。 キッチンで、いつもより丁寧に卵焼きを巻いている。 「涼ちゃん、いつも夜作ってなかった?」 先輩が、寝ぐせのままキッチンに顔を出す。 「せっかく先輩に食べてもらうから、朝にしようと思って。タッパーなんですけど、すみません」 私は、ちょっと照れながら答える。 先輩は、ふーんと呟いて、少しだけ笑った。 「じゃあ今度の土曜日、一緒に弁当箱買いに行く?」 「えっ……」 思わず手が止まる。